エステラに時々来られる顧客には「ラクトベジタリアン」の方々が、数組いらっしゃいます。
「ベジタリアン」や「ヴィーガン」の方々は、それを選んでいる理由も、実際に口にする食材の範囲もそれぞれです。料理店としては、都度確認してお客さまと相談しながらお料理を決めるのですが、エステラの定番メニューの中には、植物性の食材のみで作られるお料理はいくつかあります。さらに乳製品や卵が「可」なら選択していただけるメニューも増えます。
菜食の方に特におすすめなメニューは「野菜のパエリア」です。材料は100%植物です。
昆布と野菜でとった出汁を使い、具も調味料も全て野菜を中心とした植物性のもの。味は塩だけなんですが、野菜と昆布の旨味があふれ、滋味です。しかも魚介や肉の入ったパエリアより軽やかで、ついつい進みます。「ベジタリアンメニュー(ヴィーガンメニュー)」としてメニューには載せていないのですが、ベジタリアンでなくとも興味のある方には、是非召し上がっていただきたいパエリアです。
今は秋なので、栗を使っています。季節の野菜を使います。
『basmatirice』は、インドやパキスタンで主に作られている長いタイプのお米で、ヒマラヤ山麓ものが最高品質だそうです。縁ある神戸北野『キタノストア』の店主から「おいしいから食べて!」とすすめられたのが始まり。
まずは、この初めて見る米をまかないのパエリアに。・・・おいしい!→きっとイカスミパエリアに合う→おいしい!→魚介のパエリアも→これもおいしい!→・・・どのパエリアとも相性はとてもいい。パスタのように軽くて食べやすいのでやみつきになる味です。
もともとはスペインでパエリアに使うお米は日本のような短米が多いのですが、短米とバスマッティのような長米の間のお米が実はおいしいと聞いています。実はパエリアの米の品種については今年のスペイン研修のテーマのひとつ。パエリア発祥のバレンシア、アルブフェラ現地で確かめて来ます。
さて。まずは近くのインド料理店に『ビリヤニ』というバスマッティライスを使った炊き込みご飯のような伝統料理を食べに行きました。これはまたすごくおいしい!もともと祝祭の食事だったことから1食がすごく多いのが当たり前のようなのですが、不思議とぺろりと食べられます。
ネットで調べると、『ビリヤニ』は流行っているそうですね。出会ってしまうとハマる人が多いようです。伝統料理によくあることですが、地域によって材料や調理方法がかなり異っていて、何が正統なのか、どれが自分好みなのかを探求するのも大きな楽しみのようです。
ところで、生活の中でのバスマッティライスの食べ方にも興味があります。そこで『キタノストア』のマダムに聞いてみました。そしたら、丁寧に色々と教えてくださった上で、北野にお住まいの方のペルシャ料理の本を紹介していただきました。とてもおいしそうな写真。見ているだけで楽しい!レシピもついているけど、やはり作ってもらって食べてみたい!
バスマッティライスのパエリアは通常のメニューには無いです。前日までの予約であればお米も手配できますので、予約時にお問い合わせください。
スペインには「Ensalada rusa/エンサラダ ルサ=ロシア風サラダ」という名で親しまれているサラダがあり、エステラでも時々Tapasのひとつとしてお皿にのります。
お客さまから、どうして「ロシア風」?と聞かれることがあります。私も当初不思議に思っていました。ある日、イタリア料理の郷土料理にも「Insalata russa」があることを知りました。
オリジナルはロシアの「Сала́т Оливье́/サラート オリヴィエ=オリヴィエサラダ」らしく、19世紀後半にモスクワのホテルのレストランの同名シェフが「フランス料理」を元に考案したそうで、始まりは「フランス風のポテトサラダ」だったそうです。(ウィキペディア他)親しみのあるじゃがいもや野菜に、マヨネーズを使うことがフランス風だったようです。このサラダが「ロシア風」として世界に広がりました。
マヨネーズの起源は諸説ありますが、18世紀半ばにスペインメノルカ島を攻撃したフランス軍リシュリュー公爵が「Mahonnaise/マオンネーズ」マオンのソースとしてパリへ持ち帰って「Mayonnaise/マヨネーズ」となったというのが有力説です。
ところで、この「ロシア風サラダ」はこの名前とともにヨーロッパ、中南米の国々でも広く親しまれているようです。「じゃがいも」を主体としてさいの目に切った野菜をマヨネーズで和えていることが共通していて、イタリアではケイパーやアンチョビ、ツナで味に深みを出したり、中南米ではビーツが入り鮮やかな紅い色合いになります。
エステラの「ロシア風サラダ」は、じゃがいもにスペイン産ピキージョピーマン、ツナとオリーブなどをあえます。実はスペインのバルやレストランでは様々な具材の「ロシア風サラダ」があります。その中で、見た目にも、味にも、じゃがいもをおいしくいただく無駄のないコンビネーションにもスペインらしさを感じ、最も惹かれたものからアレンジしています。
スペインのマオンのソースが、フランスからマヨネーズとして、じゃがいもとの抜群な相性とともに世界で愛され、その流れの中で再びスペインにもたどり着いた「ロシア風サラダ」。
それから100年以上時を経た日本でも同じく家庭料理として愛されるポテトサラダ。名前こそ伝わらなかったけれど、しっかりこの地に根付いています。
2018/3/31のナイトマーケットで予定しているメニュー「イカと肉団子の煮込み」の仕込みが進んでいます。
スペインカタルーニャ地方の伝統的な料理の特徴のひとつに「Mar y Montaña」があります。
Marは海、Montañaは山。海の食材と山の食材を合わせるという料理の手法で、最初は馴染みない組合せも味わうととても美味しく楽しいのです。
この「イカと肉団子の煮込み」も、肉団子にイカを入れるだけでなく、肉団子とイカをトマト、野菜やスパイスとともに煮込みます。
お肉料理と魚介料理とが調和しつつ、それぞれの美味しさを味わえる贅沢な美味しさです。
興味を持たれた方、是非31日にナイトマーケットへお越し下さい。
この伝統料理は、2015年10月にスペイン、バルセロナを訪れた際、「La Plassohla」というレストランでメイン料理としていただきました。とても美味しかったですよ。
↑コチラは「La Plassohla」のイカと肉団子の煮込み料理。2015/10/22撮影のもの。
「La Plassohla」のサイトはコチラ
ブログを始めたら「シェリー酒」について少しづつ紹介していきたいと思い続けていました。
時々出てくると思いますが、どうぞお付き合いお願い致します。
「シェリー酒とはどんなものですか?」
この質問に簡潔に答えるのがなかなか難しいのです。
独特な味わいと香りは、他にない製法と、地のぶどう、生産地の風土から来る賜物で、
種類やバリエーションに富み、味わいも様々、
5年から30年以上という長い期間の熟成により生み出され、その期間もまた様々、
食前、食中、食後を選ばず、ペアリングの相手も幅広く、
シェリーは生産地の文化風俗そのもので、壮大な歴史的背景もあります。
こんなシェリーを構成するひとつひとつがシェリーの魅力と感じています。
先日、東京五反田にある「SherryMuseum」館長の中瀬航也氏を講師に招いたシェリーのセミナーに参加しました。
中瀬氏はシェリーの専門家です。上記の「シェリーとは?」という質問に相手の職業や興味を踏まえてお答えされているそうでした。
「大航海時代に樽詰めされた白ワイン」
「ぶどうで作った醤油です」
など。きっと楽しい時間だと想像します。
写真はセミナーで教わった夏におすすめのシェリーカクテル。
シェリーそのものを味わうことに慣れていた私たちにとって、目が覚めるような美味しさでした。
今年の夏は、こんなシェリーを楽しんでみませんか。
左が「ペドロヒメネス&ミルク」でラムレーズンアイスさながらのクリーミーな甘みと芳醇さ。
右が「シェリークリーム&フレッシュオレンジ」で、葡萄由来の香りとコクに柑橘の酸味と爽やかさが加わり一層フルーティーに。
今週の定休日にコープこうべの研修施設「協同学苑」で料理教室がありました。
料理教室での講師は初めてです。スタッフ全員で参加して来ました。
当日はお天気に恵まれたこともあり、三木の山々の緑が美しい景色でした。
座学→実習→食事と片付け、各1時間程度で3時間の講座です。
実習の時間がタイトなので教える側も教わる側も、集中して完成させます。
食事をする時には、皆ほっと笑顔になりいい雰囲気が生まれます。
和やかな雰囲気のなか、私たちも「また来たいな」と思いながら帰ったのでした。
2017/5/23 料理教室のメニュー
タパス6品
・玉ねぎのオーブン焼き
・はまぐりのヴィナグレッタ
・ツナとトマトのサラダ
・ベーコンデーツ
・マッシュルームの生ハム詰め
・きのことアボカドのレブエルト
バスク風あさりごはん
マサパン
今後の料理教室は未定ですが、もしご興味がある方はメールでご連絡くださいな。
教室開催の時にご連絡致します。
info@estela-kobe.com
初回ブログをお訪ねいただきありがとうございます。
神戸県庁前のスペイン料理店comedorESTELAです。
お店のこと、スペイン料理のこと、近隣神戸のことなどを
紹介していきたいと思います。
お店、スタッフ、ブログともども、
どうぞよろしくお願い申し上げます。